固定費を見直したほうがいいとは分かっていても、次のような悩みはありませんか。
- 固定費の見直しをすすめられるけど、実際にいくら浮くのか計算したことがない
- 保険や通信費が高い気はするけど、我が家の場合の削減額が分からない
- 見直しに時間をかけても数百円しか変わらないなら、やる意味を感じにくい
- 平均額の話は聞くけど、自分の家計に当てはめる計算方法が分からない
固定費は「なんとなく高い気がする」まま放置してしまうと、月々の小さな差が年単位で積み重なり、見直すタイミングを逃したぶんだけ支出が続いてしまいます。ぼくも国税局時代は固定費をほとんど見直さないまま働いていましたが、通信費・保険・サブスク・光熱費の順に見直して、月2万円以上の削減につながりました。
この記事では、固定費見直しでいくら節約できるかを、総務省の家計調査データをもとに具体的な計算方法とシミュレーション例で解説します。読み終える頃には、自分の家計に当てはめて年間の削減額を試算できるようになっているはずです。
固定費は、いちど見直しの仕組みを作ってしまえば翌月以降も効果が続きやすい、数少ない節約方法です。
固定費見直し、まずは「平均額」を知ることから

自分の固定費が高いのか低いのか判断するには、まず世帯タイプ別の平均額を知っておくことが出発点になります。平均額はあくまで比較のものさしであり、そのまま自分の家計に当てはまるわけではありません。

二人以上世帯の固定費目安

総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕」の2025年(令和7年)平均によると、二人以上の世帯(平均世帯人員2.87人)の消費支出は月314,001円でした。
固定費に近い費目では、住居費が月18,678円、光熱・水道費が月24,547円です。交通・通信費は月45,730円で、その内訳は通信費11,672円、自動車等関係費28,355円でした(※2025年平均、2026年8月時点で公表されている最新値。最新情報は総務省統計局公式サイトでご確認ください)。
通信費と自動車関係費だけで月4万円前後を占めており、この2費目が見直しの優先候補になります。
単身世帯の固定費目安

同じ調査の単身世帯データでは、消費支出は月173,042円、住居費が月21,667円、光熱・水道費が月13,333円、交通・通信費が月19,334円でした(※2025年平均時点)。
二人以上世帯と比べると消費支出の総額は少ない一方、住居費の平均額は高く、消費支出に占める割合も大きくなっています。ただし、持ち家・賃貸など住居形態の違いがあるため、平均額は自分の契約と比べるための参考値として使いましょう。
固定費と変動費の違いをまだ整理できていない場合は、先に固定費と変動費の違いとは?家計改善の基本を解説を読んでおくと、この後のシミュレーションが理解しやすくなります。
固定費見直しシミュレーションのやり方【3ステップ】

平均額が分かったら、次は自分の家計でシミュレーションする番です。手順はシンプルで、書き出す・比べる・年額に直すの3ステップだけで計算できます。

STEP1 固定費を項目ごとに書き出す

まずは通帳やクレジットカードの明細を見ながら、毎月ほぼ同じ金額が引き落とされている項目を洗い出します。家賃・住宅ローン、通信費(スマホ・ネット回線)、保険料、サブスクリプション、車両費(駐車場・保険・ローン)が主な対象です。
最初からすべてを調べようとせず、明細1か月分から固定費だけを書き出すと着手しやすくなります。
STEP2 費目ごとの削減余地をチェックする

書き出した費目それぞれについて、長く見直していないものや、契約時のプランのまま使っていないサービスがないかを確認します。まず確認したいのは、契約後に一度も他の選択肢と比較していない費目です。
STEP3 「月の差額×12ヶ月」で年間節約額を計算する

見直し候補が見つかったら、現在の月額と見直し後の月額の差を出し、12倍して年額に直します。計算式はシンプルです。

| 費目 | 見直し前(月額) | 見直し後(月額) | 月の差額 | 年間節約額 |
|---|---|---|---|---|
| 通信費(スマホ) | 7,000円 | 3,000円 | 4,000円 | 48,000円 |
| 保険料 | 15,000円 | 10,000円 | 5,000円 | 60,000円 |
| サブスク(重複解約) | 3,000円 | 1,000円 | 2,000円 | 24,000円 |
この表の仮定では、3費目の差額合計は年間132,000円です。これは計算方法を示すためのモデルであり、実際の削減額を保証するものではありません。現在の契約額と、同じ条件で比較した見直し後の金額に置き換えて計算してください。
【費目別】固定費見直しの節約シミュレーション例

ここからは、費目別に「どのくらいの差が出やすいか」を、公的データや調査結果をもとに具体的に見ていきます。金額の目安は調査時点のものであり、契約内容によって変わります。
通信費(スマホ)を見直した場合

株式会社MM総研の2025年調査によると、スマホの月額利用料金は全体平均4,117円でした。大手キャリア(MNO)は4,756円、格安SIM(MVNO)は1,858円です(2026年8月時点でMM総研公式サイトに掲載の情報)。

この差である月2,898円を年額に直すと約34,800円になります。実際の削減額は現在のプラン・データ容量・家族割引の有無によって変わるため、必ず自分の契約内容で比較してから判断してください。
保険料を見直した場合

公益財団法人生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」(2024年度)によると、二人以上世帯の年間払込保険料は平均35.3万円でした。

ぼく自身は国税局時代、同僚に勧められるまま加入していた保険の特約を棚卸ししました。使う可能性が低い特約を外したことで、月5,120円、年間61,440円の削減につながりました。
これはぼく個人の結果であり、保険料だけでなく必要な保障内容も確認して判断することが大切です。
電気・ガスを見直した場合

電力・ガスは、住んでいる地域、契約アンペア、使用量、燃料費調整額、キャンペーンなどで比較結果が変わります。比較サイトの利用者調査では切り替え後に安くなった回答もありますが、調査対象が限定されており、すべての家庭に同じ結果が出るわけではありません。
直近12か月の使用量を使い、特典を除いた通常料金でも安くなるかを確認しましょう。契約によっては解約金などがあるため、切替前に契約条件も確認してください。
【世帯タイプ別】固定費見直しシミュレーション

同じ削減額でも、世帯構成によって家計へのインパクトは変わります。家族回線や複数の保険契約など、契約本数が多い家庭では、1契約ごとの差額を合計して考えることが大切です。

単身世帯の場合

単身世帯の交通・通信費の平均は月19,334円でした(前掲の総務省家計調査2025年平均)。
MM総研の調査区分間の単純差である月2,898円と、使っていない月額1,000円のサブスク1件を解約する仮定なら、年間差額は「(2,898円+1,000円)×12か月=46,776円」です。
これは平均値と仮定を使った計算例で、実際の削減額ではありません。自分の現在額と候補プランの同条件の見積額に置き換えてください。
夫婦・家族世帯の場合

二人以上世帯の交通・通信費の平均は月45,730円でした。スマホ回線が複数ある家庭では、回線ごとに現在額と候補プランを並べ、家族割引やセット割引が外れる影響まで含めて合計します。
1回線の料金だけでなく、家族全体の請求額で比較することが重要です。
世帯人数が多い家庭向けの具体的な見直し手順は、夫婦・家族向け固定費見直しで年間40万円浮かす方法でも詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。
シミュレーションを実際の節約につなげる注意点

計算した数字を実際の削減に変えるには、いくつか気をつけたいポイントがあります。

平均値はあくまで目安、自分の数字で計算する

総務省の家計調査や業界調査の数値は、あくまで全国平均や調査対象者の傾向です。自分の家計に当てはめて計算しないと、実際の削減額とはズレが生じます。STEP1〜3で書き出した自分の金額を必ず使ってください。
解約金・切替コストも忘れずに計算する

通信会社や保険を乗り換える際は、契約によって解約金、工事費や端末代の残債などが発生する場合があります。年間の差額から切替コストを差し引いても負担が減るかを、切り替え前に必ず確認しましょう。
削減後は家計簿アプリなどで効果を確認する

シミュレーション通りに削減できているかは、家計簿アプリで実際の支出を記録すると確認しやすくなります。
アプリの選び方は固定費の見直しにおすすめの家計簿アプリ3選にまとめているので、削減後のチェックに活用してみてください。
計算して終わりにせず、実際の支出で答え合わせをすることが、シミュレーションを成果につなげる最後のステップです。
よくある質問(FAQ)

固定費見直しのシミュレーションでよくある疑問にまとめて答えます。
固定費の見直しは何から始めればいい?
まずは通信費・保険料・サブスクなど、長く見直していない費目から手をつけるのがおすすめです。金額が大きく、現在の契約条件と代替案を比較しやすい費目から着手しましょう。
固定費を月1,000円〜1万円減らすと、数年でどのくらいの差になる?
月1,000円の削減でも年間12,000円、5年で60,000円になります。月1万円なら年間12万円、5年で60万円です。削減額を12倍・60倍で考えると、小さな差でも積み重なることが実感しやすくなります。
保険を見直すとどのくらい保険料が下がる?
保障内容の重複や、ライフステージに合わなくなった特約の有無によって差が大きく変わります。ぼくの場合は特約の見直しだけで年間61,440円の削減でしたが、これはあくまで個別の一例です。保険証券を見ながら保障内容を棚卸しするところから始めてみてください。
大手キャリアから格安SIMに乗り換えるとどれくらい安くなる?
MM総研の2025年調査では、大手キャリアの月額平均4,756円に対して格安SIM(MVNO)は1,858円という結果でした。データ容量や通話オプションの違いによって実際の差は変わるため、現在の利用状況に近いプランで比較してから判断しましょう。
まとめ

固定費見直しでいくら節約できるかは、平均額を知って終わりではなく、自分の家計で書き出す・比べる・年額に直すの3ステップを実践してはじめて答えが出ます。

- 総務省の家計調査によると、二人以上世帯の交通・通信費は月45,730円、単身世帯は月19,334円が平均
- シミュレーションは「見直し前後の月の差額×12ヶ月」で年間節約額を計算する
- 通信費・保険料・電気ガスは、現在の契約と代替案を個別に比較する候補
- 世帯タイプによって削減インパクトの大きさは変わる
- 計算して終わりにせず、家計簿アプリなどで実際の効果を確認する
まずは今日、通帳やカード明細を1つ開いて、自分の固定費を1項目だけ書き出すところから始めてみてください。固定費と変動費の違いから整理したい方は、この記事の前半で紹介した固定費と変動費の違いとは?家計改善の基本を解説もあわせてご覧ください。
※免責事項
この記事は、筆者(元国税局職員)の個人的な経験と見解に基づくものであり、特定の金融商品・サービスの購入や契約を推奨するものではありません。
記載の金額はすべて調査時点の平均値・目安であり、実際の削減額は契約内容や個人の状況によって異なります。投資・保険等の判断はご自身の責任で行ってください。
税制や制度の詳細は、最寄りの税務署・金融機関にお問い合わせください。
※記載の料金・データはすべて2026年8月時点で確認できた調査結果に基づくものです。最新情報は各公式サイト・調査元でご確認ください。
