はじめまして、よしよしです。
いきなりですが、ぼくは39歳のとき、16年間勤めた国家公務員の職を、自らの意志で手放しました。
「将来安泰でうらやましい」
「せっかくの国家資格がもったいない」
周囲からは、たくさんの心配と、少しばかりの羨望の声をもらいました。無理もありません。世間的に見れば、ぼくは「約束された安定」をドブに捨てるようなものだったのですから。
でも、ぼくは後悔していません。
なぜなら、その「安定」と引き換えに、ぼくが支払っていた代償は、あまりにも大きすぎたからです。かつてのぼくにとって「安定」とは、“思考停止”と“魂の摩耗”の別名でした。
「投資はギャンブルで、危険なものだ」
「副業なんて、真面目な人間が手を出すことじゃない」
「上司の言うことは、たとえ理ふじんでも絶対だ」
そんな固定観念に、知らず知らずのうちに心を縛り付けられ、毎月中旬に振り込まれる給料に安堵し、自分自身の人生について、お金について、真剣に学ぶことを完全に放棄していました。
もし、あなたが昔のぼくと同じように、
- 「安定」した職にいるはずなのに、なぜか将来への漠然とした不安が消えない
- 本当はもっと自由に、自分らしく生きたいけど、「自分には無理だ」と諦めている
- 「投資」や「資産形成」に興味はあるけど、何だか怖くて、最初の一歩が踏み出せない
- 職場の人間関係に心をすり減らし、毎朝、鉛のようにお腹が重い
そんな気持ちを、胸の内に少しでも抱えているのなら。
この長い長い物語が、あなたの人生を変える「もう一つの選択肢」を見つけ、固く閉ざされた心の扉を開ける、小さなきっかけになるかもしれません。
■第1章:「安定」という名の地獄。ぼくが心と体を壊すまで
公務員の給料は、確かに安定していました。しかし、その「安定」という名の船の内部は、静かに、しかし確実に腐食し、ぼくの心身を蝕んでいきました。
終わらないパワハラと、人格否定の日々
特定の上司による執拗なパワハラは、時間も場所も選びませんでした。
深夜、日付が変わる頃。プライベートな時間に鳴り響くスマホの通知音。その音だけで心臓が鷲掴みにされるように跳ね上がり、冷や汗が背中を伝う。開けばそこには、「全く使えないな!」「お前がいると場の空気が悪くなる」といった人格を根こそぎ否定するような言葉が、画面いっぱいに並んでいるのです。
他の職員がいる前で、わざと大きな声で「こんな簡単なことも分からないのか!」と叱責される“公開処刑”。周囲の同僚たちの、痛ましそうな、あるいは関わりたくないといった視線が、心をナイフでえぐるように突き刺さりました。
最も心を蝕んだのは、挨拶をしても、返ってこない「無視」という陰湿な暴力でした。自分の存在が、その場所で「無」にされる感覚。それは、殴られるよりも、罵倒されるよりも、静かに、しかし確実に、人の心を殺していくのです。
常識では考えられない理ふじんな指示もありました。公務員であるにも関わらず、取引先の業者さんに対して「代金を値切れ」と命じられたこともあります。当時のぼくは、上司の機嫌を損ねたくない一心で、その指示に嫌々ながら従うしかありませんでした。
身体が上げた、最後の悲鳴
精神的なストレスは、やがて、身体の悲鳴となって現れ始めました。
朝起きると、胃が鉛のように重く、原因不明の腹痛に襲われる。夜は深夜のLINE通知に怯え、眠っても眠った気がしない。食べ物の味はせず、ただエネルギー補給のために咀嚼するだけの日々。
そして、ついに限界が訪れます。
ある出張先で、緊張の糸がぷつりと切れたのか、ぼくは意識を失い、その場で倒れてしまったのです。幸い大事には至りませんでしたが、この出来事は、「このままでは本当に壊れてしまう」という、身体からの最後のSOSでした。
そのとき、ぼくは心の底から気づいたんです。
一番の問題は、失いかけている健康だけじゃない。「この職場しかない」「自分にはこの生き方しかできない」と思い込み、自分の人生の選択肢を、自ら手放してしまっていたことなんだ、と。
■第2章:転機。一冊の本と「1.2万円」が世界を変えた日
絶望の淵で、ぼくは藁にもすがる思いで本屋に立ち寄りました。そこで偶然手に取ったのが、すべての始まりとなる一冊の本、『お金の大学』でした。
「会社に依存しない生き方は、知識と行動でつくれる」
その言葉は、まるで暗闇の中に差し込んだ一筋の光のように、ぼくの心に突き刺さりました。会社の外にも、未来があるのかもしれない。そう思えただけで、少しだけ息がしやすくなったのを覚えています。
そこから、ぼくの貪るような情報収集が始まりました。副業が禁止されている環境下で、妻に必死で想いを伝え、協力してもらい、彼女の名義で海外向けの物販(eBay)に挑戦することにしたのです。
しかし、現実は甘くありません。英語だらけのアカウント開設画面に悪戦苦闘し、出品ルールは複雑怪奇。1日に1品出品するだけでヘトヘトになり、最初の1ヶ月は、全く何も売れませんでした。
「やっぱり、自分には才能がないのかも…」
心が折れかけていた、ある平日の朝。いつものように重い体を引きずって出勤準備をしていたとき、スマホが静かに震えました。
「商品が売れました」
利益は、わずか1.2万円。
でも、この経験は、ぼくのお金に対する価値観を180度、根底から覆しました。それまで「理ふじんや人格否定に耐え、心をすり減らしてようやく月末にもらえる我慢料」でしかなかったお金が、「自分の工夫や努力で、誰かに喜んでもらえたことへの感謝の対価」だと、心から感じられたんです。
自分の力だけで、会社という組織を介さずに、収入を得られた。
その日の帰り道、いつもは憂鬱で地獄行きに感じられた通勤電車が、「理想の未来に向かう乗り物」のように見えました。その夜、少しだけ贅沢してスーパーで買ったお惣菜を囲みながら、「このままコツコツやっていけば、いつか自由になれるかもしれない」と妻に話したときの、彼女の笑顔を、ぼくは一生忘れません。
■第3章:ぼくの人生最大の後悔
希望の光が見えた一方で、ぼくには大きな後悔がありました。
それは、「もっと早く、インデックス投資を始めなかったこと」です。
「投資=危険でギャンブルだ」という、かつての職場や世間が作り上げた固定観念に縛られ、何年もの間、雪だるま式に資産を増やしていく「複利」の力を活用する、最大のチャンスを逃し続けていました。お金の知識を身につけ、その威力を知った今、あの時の自分をどれだけ悔やんだか分かりません。
この取り返しのつかない後悔が、今のぼくの発信の、すべての原点になっています。
■第4章:大きな失敗から学んだ、たった一つのルール
もちろん、挑戦の道は順風満帆ではありませんでした。大きな失敗も経験しました。
「1日1時間の作業で月100万円!」
「あなたもすぐに成功者になれる!」
そんな甘い言葉に冷静な判断力を失い、40万円もの高額な情報商材に手を出してしまったのです。しかし、その中身は空虚なもので、結局、大切なお金を無駄にしてしまいました。お金以上に、「時間」と「自信」、そして「次へ向かう気力」を失ったことが、何よりの痛手でした。
この痛い経験から、ぼくは一つの黄金律を学びました。それは「うまい話には必ず裏がある。自分の頭で徹底的に調べ、考え抜くことなしに、決して他人の言葉を鵜呑みにしない」ということです。
■第5章:「本当の安定」を、自分の手で再設計する
あの日、出張先で倒れた場所から、ぼくは少しずつ、しかし着実に、「本当の安定」を自分の手で再設計し始めました。それは、会社や組織に依存する脆い安定ではなく、自分自身の知識と行動に基づいた、揺るぎない安定です。
ステップ①:徹底的な支出見直しで、投資の種銭を作る
まずは、聖域なき家計の見直しから始めました。元・国税局職員としての知識も活かしながら、夫婦で徹底的に支出を洗い出し、年間で9.7万円もの固定費削減に成功しました。これが、未来を変えるための、貴重な「種銭」となりました。
ステップ②:「3つの収入源」で、リスクを分散する
物販ビジネスが、為替や世界情勢といった外的要因で、いとも簡単に揺らぐことを経験したぼくは、一つの収入源に依存する危うさを身をもって知りました。だからこそ、性質の違う「3本の柱」を意識的に構築していきました。
- 柱①:物販(eBayなど):即金性があり、キャッシュフローの基盤となる事業。
- 柱②:情報発信(ブログ・SNS):パワハラ脱出の経験や、節約・投資の知識といった、自分の体験を資産に変えるメディア。
- 柱③:受託業務(ライティング・コンサルなど):情報発信で得た信頼を基に、直接的に価値を提供する仕事。
この3本の柱が互いを支え、育て合うことで、どれか一つが不調でも、びくともしない。これこそが、ぼくがたどり着いた「人生設計の再構築」でした。
ステップ③:インデックス投資を、愚直に、コツコツと
そして、節約と副業で作り出した資金を、インデックス投資に回し続けました。派手な一発逆転ではありません。ただ、地道な努力をコツコツと積み重ねていくだけ。それでも、着実に資産が育っていくのをアプリで見るたび、会社からもらっていた給料とは質の違う、確かな心の安定を感じることができました。
特別な才能や、裏技があったわけではありません。
ただ、正しい知識を学び、失敗を恐れず行動し、地道な努力を続けただけです。その結果、投資初心者だったぼくでも、3年で資産1,000万円を達成することができました。
■第6章:これからの話をしよう
ぼくはいま、「よしよし | 自由を勝ち取りたい節約夫婦」という名前で、Threadsやブログを通じて、過去の自分と同じように、お金や働き方、そして人生に悩んでいる人に向けて、発信しています。
アカウント名は「夫婦」となっていますが、基本的にはぼく自身がこれまでの経験を基に投稿しています。ただ、この活動は、副業禁止時代に名義を貸してくれたのをはじめ、常に一番近くで支え、応援してくれた妻との二人三脚で成り立っています。彼女の理解とサポートがなければ、今のぼくは絶対にありません。
ぼくが発信で伝えたいのは、きらびやかな成功法則や、誰でも簡単に稼げるというような、無責任な情報ではありません。
- 元・国税局職員だからこそ語れる、再現性が高く、論理的な節約術
- 「投資は怖い」という、かつての自分と同じ心のブロックを、優しく解きほぐすマインドセット
- 40万円の失敗談も、赤裸々に語る。なぜなら、失敗こそが成功への最短ルートだと知っているから
- 地味で、退屈かもしれないけれど、人生を確実に変える「コツコツ継続する力」の重要性
ぼく自身、まだ「道半ば」です。億万長者になったわけでも、完全に自由な生活を手に入れたわけでもありません。でも、だからこそ、あなたと同じ目線で、共に悩み、共に学び、共に成長していきたいと、心から思っています。
もし、あなたが「今の人生を、本気で変たい」と少しでも願うなら。
この長い自己紹介が、そのための、力強い「はじめの一歩」になれたなら、これ以上に嬉しいことはありません。
これから、どうぞよろしくお願いします。
よしよし